2008年11月10日

天国ネタにハズレはないのか?

先週、渋谷で「僕は君のために蝶になる」(07)を見てきました。
ストーリーはというと、学生時代に恋人とのケンカが原因の交通事故で死別してしまった女性の話なんです。
死んでしまった恋人アトンがヴィック・チョウ
おっさんは知らんけど台湾のアイドルらしいです。
で、彼の死を心の中で引きずり、精神安定剤に頼りながら生きてるのがリー・ビンビン演じるエンジャ。
この女優さんって学生時代と現在でヘアースタイルをロングとショートに変えてるんだけど、なんか別人みたいに見えます。
ショートカットが似合ってて、なんか宮沢りえに似てるなーってずーっと思ってた。
で、このエンジャが医者の勧めに従い薬の服用を止めてみると死んだアトンの亡霊とも幻覚とも思える症状が現れる…とゆー展開になります。
つまり、これって「天国ネタ」または「ゴーストネタ」ってことなんです。

映画ファンならばこの格言は知ってますよねぇ。

『天国ネタにハズレなし』

聞いたことありません?

LINGER1.jpg

あ…、これ、ぼくが作った格言でした…。(笑)
自分が好きなタイプだということもあるけど、実際「天国ネタ」って結構面白いものが多いと思うんですよね。
でも、残念ながら「僕は…」は傑作というものとはほど遠く、途中で睡魔に襲われたほどでした。
ヴィック・チョウ目当ての女性客もなんか肩すかしを食らったような雰囲気で。
なにしろ、これってアトンが主人公じゃないからね。
主人公はあくまでも生きているエンジャの方で、彼女がどうアトンの死を自分の中で清算できるかという話なんですよ。
だからゴーストとのラブ・ストーリーとかじゃないんですよね。
そーゆー意味ではスッゴイ真面目と言えば真面目なんだけど、盛り上がるに欠けるったらありゃしない。
でもその辺は女性脚本家(アイヴィ・ホー)らしいといえば、らしいかな。

linger2.jpg
あっ、宮沢りえ!


そのせいかどうか才人ジョニー・トー監督の演出も実に淡々としたもので、アトンのゴーストが現れてももCG使ったりしないんですよ。
もしかしたら真面目な話だからCGとかでファンタジーっぽくしたくなかったのかもとかも考えてみたり。
まあこの監督は「マッド探偵」(07)でも1人の人間の内面に潜む7人の鬼を登場させるのにもCGなんぞ使わなかった人ですから、当然といえば当然なのかもしれませんけどね。
そのあたりが通常の「天国ネタ」との違いで、観客はゴーストが出てきたあたりから想像するラブ・ストーリーやホラーっぽい展開に一向に映画が進んでいかないんで消化不良になってしまうというとこでしょうか。

で、「天国ネタ」の話ですけど。
これって死んじゃう側が主人公になる場合と「僕は…」みたいに死なれた方が主人公になるのとで映画のテーストが変わってくるようで。
「天国から来たチャンピオン」(78)は主人公が死んじゃうパターンの代表格だけど、このパターンはコメディ要素が強く出てくるのが多いかな。
「天チャン」のウォーレン・ビーティはなんせ天国のミスで余命があるのに死んじゃうんですからね。
オマケに遺体は火葬にされて下界に戻るにも戻る体が無くなって仕方なく別の体に入り込むと、そこで運命の女性ジュリー・クリスティに出会うって展開。

リース・ウィザースプーンマーク・ラファロが共演した「恋人はゴースト」(05未)もゴーストが主人公。
ウィザースプーン演じるエリザベスは仕事一筋の女医で、ある日交通事故で意識不明の重体になってしまうが、彼女の住んでたマンションに入居してきたラファロの前にゴースト(正確には死の瀬戸際だから幽霊とは言わないかな?)ゴーストになって現れるって出だしだった。
この映画のミソは「死んではいない」ってとこで、ジョン・ヘダーの脇での好演もあってよく出来てました。

justlikeheaven.jpg
あっ、濱田マリ!


『突然の事故で天国へ召された青年が、そこで出逢った美しく知的な女性に心ひかれ、やがて天国に愛の巣をかまえ、幸せな日々を送りはじめます。
しかし、やがては地上の人間として生まれ変わらなくてはならない運命を背負った女性は、すべての記憶を失い、新しい名前で地上の人生へと旅立ってゆくのです。』

さて、この映画はなーんだ?

答えはアラン・ルドルフ監督の「メイド・イン・ヘブン」(87)です。
天国ネタの変り種ですけど、良い映画でした。
主人公の青年が懐かしのティモシー・ハットンで運命の女性がケリー・マクギリスでした。
映画はこの後、彼女を追ってハットンも地上の人間として生まれ変わることを選択します。
お互いに30歳になるまでに巡り会うことが出来なければ、永遠に別れ別れのままに暮らすという条件を神と取り交わすのです。

madeinheaven1.jpg
あっ、ハットン!


死なれた側が主人公の場合なら「ゴースト/ニューヨークの幻」(90)がすぐに思い浮かぶよね。
このパターンの方はコメディ要素よりもファンタジーな要素が強いかな。
コメディって感じじゃなくて、純愛っぽいラブ・ストーリーになるような気がします。

で、この両者の良いとこだけ取っちゃおうって感じなのが香港映画の「星願 あなたにもういちど」(99)です。
主演は岸谷五朗似のリッチー・レンセシリア・チャン
レン演じるオニオンは見ることと話すことができない青年で、セシリア・チャン扮する看護婦オータムに恋している。
しかしオニオンは交通事故で死んでしまい、5日間だけ他の人間の体に入る事を許可されるといったストーリー。

cheung.jpg
あっ、岸谷!


中盤までは「天チャン」ぽい流れでコメディっぽい要素もあり、天国の係員がお役所っぽい描写なんかは完全に「天チャン」の影響です。
それが終盤になるとチャンのウェイトが大きくなってきて純愛路線が全開になるという作りになってるのが面白い。
ソプラノ・サックスや点字の手紙などの小道具も上手く使われて、とにかく心地よく泣ける話になってます。
まあベタと言ってしまえばそれまでなんだけど、ベタでも心地よさを保ってるのはやっぱりセシリア・チャンの魅力によるところが大きいと思います。
彼女はコメディエンヌとしても達者なんだけど、とにかく泣き顔が素晴らしいんですよね。
それも"さめざめと泣く"とかじゃなくて、”泣きはらす”とか”泣き散らかす”って感じで。
この映画に限らず、他の映画でも彼女の泣き顔は効いてます。
やっぱり"コメディエンヌは泣き顔が命"ですよ。
これ、新しい格言ですよ。

いずれにしてもこの手の映画って、どの映画も『記憶』がキーになってますよね。
死んでしまった人への記憶や思い出といったものがね。
忘れられない記憶、忘れたくない記憶、忘れてしまいたい記憶。
それはまあいろいろなんだけど、でもそれってつまりは"生きている"ってことですよね。

heavencanwait1.jpg
あっ、こっちもソプラノ・サックスだったんだ!


↓ランキングも、ビロ〜ンと。
banner_01.gif

アクセス解析
posted by 5011 at 00:21| Comment(6) | TrackBack(0) | 雑ネタ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。
「天国ネタにはずれなし」。
名言です。

「愛しい人が眠るまで」つうアラン・リックマンのゴースト映画があるんですが、私、見るたびに号泣します。いやホント。

天国ネタ(神様ネタ)のコメディも面白いです。
たいてい変な天使が出てくる・・・
Posted by ptd at 2008年11月11日 23:21
ptdさん、どもども。

なかなかの格言でしょ?

>天国ネタ(神様ネタ)のコメディも面白いです。
たいてい変な天使が出てくる・・・

ですよね。
以前に天使が出て来る映画の事も記事にしたことあったけど、だいたい冴えないオッサンとかが天使やってんだな、これが。
アラン・リックマンも確か「ドグマ」で天使やってましたよね。
Posted by 5011 at 2008年11月12日 14:05
この岸谷五郎みたみた・・
すごくチープな映画だったんだけど
泣いた泣いた・・(笑)
内容はまったく記憶にありませんが
(泣いたことしか)私の試写会初体験だった気がします・・
ゴーストは好きな映画でしたね・・
デミ・ムーアのきれいだったこと・・
他のは観たことないって思うよ・・


Posted by でぶっち at 2008年11月13日 00:38
でぶっち、やっほ。

岸谷五朗似てるでしょ?
で、泣けるよねこれ。
気持ち良く泣けるってのは良いよなあ。
なんか最近はすぐ泣いちゃうんだよ、おいちゃんは。
ははは。

Posted by 5011 at 2008年11月14日 22:25
ヴィック・チョウ(F4)は台湾観光キャンペーンもしていたし知名度は抜群です^^
台湾版ドラマ『花より男子』への出演が人気に火が付いたんでしょうね。

『星願』はですね、私の中で泣ける香港映画No1です。何回観ても同じところで号泣ですわ(笑)。
涙の女優の称号はチェ・ジウよりもセシリア・チャンにあげたいぐらい。

>ウィザースプーン=濱田マリ
これウケた!写真の横顔めちゃ似てる〜。
Posted by TKAT at 2008年11月15日 09:16
TKATさん、どもです。

ヴィック・チョウね。
あまり魅力は感じなかったですねぇ。


>ウィザースプーン=濱田マリ
これウケた!写真の横顔めちゃ似てる〜。

でしょ?
多分アゴの型取ったらピタッと嵌りますよこの二人は。(笑)

Posted by 5011 at 2008年11月16日 17:17
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/109347062
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック