10月の劇場鑑賞は結局、東京国際映画祭(TIFF)での1本のみでした。
10/22 「生きていく日々」TOHOシネマズ六本木ヒルズ(08)
この映画は今年のTIFFでやはり上映された「夜と霧」(09)と二部作となってるみたいですが、舞台が2本とも天水圍という香港の新興団地というだけで直接のつながりはないみたいなんで、内容の暗そうな「夜と霧」はパスした次第。
ここってイメージするなら港北ニュータウンとかそんな感じのものなんでしょうかね?
物語は…といっても、これが全く無いに等しい。
一応、主人公の母子と同じ高層団地にすむ一人暮らしの老女との交流といったおおまかなものはあるんだけど、ただそれだけで。
変な話だけど、この映画よりはTVのドキュメンタリー番組の方がヤマはあるんじゃない?ってなもんです。(笑)
それくらいに淡々と天水圍の日常生活が描かれています。
正直、途中で欠伸が出そうになったんだけど、でも不思議とつまらなくはないんだな、これが。
ホント、不思議。
結婚までは弟たちのために働き、結婚後に夫と死別してからは近所のスーパーの青果コーナーで働きながら女手一つで息子を育てる母親。
で、息子はというと将来の夢を描くでも無い高校生で、かといって母親に反抗するわけでもない、とても素直な子。
母親も母親で、苦労して育てたであろう息子の進学に関しても、自分の人生だから本人が好きに決めればいいというスタンス。
かと思うと、一人暮らしの老女の生活を気づかい、離れて暮らす孫(娘は死別して義理の息子の元で後妻たちと暮らしてる)のことだけを糧に生活する老女になにかと世話を焼いて、面倒見の良い面も見せる。
この母親の、気負いのない善人さ加減が観るものの心にベタつかない心地良さを残します。
あと繰り返し描かれる母子と老女の食事のシーンがそれぞれの内面を上手く表してました。
2人で一つのお皿に盛られたおかずをつつきながらの母子の食事はちょっと寂しくもあり、でもとても穏やかで幸福な時間のようにも見れる。
それに比べて老女の1人の食卓はやはり寂しい。
これもラストの中秋節では3人が一緒に食卓を囲むようになるんだけど、これも出会ってすぐに食事を共にしたりしないあたりにこの母親の案配の良い善人ぶりが表れてた。
この映画で監督の許鞍華(アン・ホイ)は昨年の香港電影金像奨の監督賞を受賞。
母親役の鮑起靜(パウ・ヘイチン)と老女役の陳麗雲(チャン・ライワン)は主演・助演女優賞受賞してるようです。
日本人にはこの映画の淡々としたリズムって割と馴染みのあるもんだとも思うのでそんなに新鮮さは感じないけど、香港ではどうだったんでしょうね?
あと天水圍という場所のイメージがもうちょっとあったら、より分りやすいだろうなとは思った。
さてさて。
10月のDVDでの鑑賞は以下の通り。
「デスパレート 愛されてた記憶」(03未)
「ブラッド・ブラザース 刺馬」(73未)
「スモーキング・ハイ」(08未)
「アライブ」(08未)
「ラッシュライフ」(09)
「デスパレート 愛されてた記憶」はアン・ホイの予習的意味合いで見たんだけど、これもそこそこ面白かった。
主演はヴィッキー・チャオで警官役で、遠距離ながら婚約者がいるのにニコラス・ツェーと関係を持ってしまい…みたいな話。
ベタな物語ではあるけれど、ここでもアン・ホイ監督のドキュメンタリー・タッチの演出が生きてて、ベタな話を飽きさせないです。
「スモーキング・ハイ」は「無ケーカクの命中男/ノックトアップ」(07)や「スーパーバッド 童貞ウォーズ」(07未)のセス・ローゲンの製作・脚本のアクション物。
と言ってもやっぱりオバカ路線で、今回はマリファナ常用者の役でマフィアの抗争に巻き込まれてという話。
「無ケーカク…」もこの映画もイー加減な兄ちゃんがちゃんとしなきゃと頑張るってのがお決まりのパターン。
ローゲンのギリギリの嫌みの無さで持ってるんだけど、アクションがある分結構楽しめた。
ロージー・ペレス、エド・べグリー・ジュニア、ジェームス・レマーなんてちょい懐かしい顔も見れました。
伊坂幸太郎のオムニバス形式の原作の映画化「ラッシュライフ」は、どこぞの学生さんたちが監督したものらしい。
学生が監督の割には目新しいものが何も無いって印象でした。
あと4人でパートに分けて監督してるんだけど、みんななんでカット割りしないんでしょ?
なーんか意味もなくワンカットが多かったよーな。
経験不足?
予算の関係?
いずれにしても新人監督なら映画がいっそ破綻してしまうくらいのものを作ってほしいよね。
伊坂作品といえば「ゴールデンスランバー」(10)が来年の1月に公開されるようです。
首相暗殺犯に仕立て上げられてしまう主人公を演じるのは「ラッシュライフ」でも泥棒を演じてた堺雅人。
このところ主演作がめじろ押しだけど、もうちょっと飽きてきました。
だってちょっとワンパターンなんだもん。
いや熱血漢かニヤッと笑って余裕をみせるかのツーパターンだな。
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